特集コラム

Column 6 阿佐ヶ谷を生きる人

阿佐ヶ谷を生きる人
2011/03/28

阿佐ヶ谷のけやき並木通りを活性させ、美しい街造りを(後編)

■佐藤ムツミさん
KEYAKiss ASAGAYA代表(リサイクルショップNINJIN代表)

今後の展望についてパワフルに語る佐藤さん。NINJINを閉めることになり、たくさんの想いが去来しているだろう。でもこれからへの期待感の方が上回っているように見える。インタビューの間にもたくさんのお客様と談笑し、皆、和やかな顔で店を後にする。これも佐藤さんの人柄だろうか。話題は、NINJINを始めた30年前のことにまで及んだ。

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「物を大切にしたくて、子供服のリサイクルショップを始めました。名前の由来はね、子供のにんじん嫌いを直したいって毎日考えていて。そのまま店の名前もNINJINにしちゃった(笑)。あとは当時、野菜の価格が高騰していてそれも改善してほしくて、あえて野菜の名前をつけてみました。リサイクルショップのあり方が今と昔とかなり違うんだけど、あのころは家庭から依頼を受けて古着を買い取りに行っていました。汚れている服はリメイクして販売していた。それを見に、お母さんたちがわいわい集まってきていたの」

まさに地域の憩いの場でもあったわけですね。

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「そうそう。NINJINが、子育ての悩みや情報を交換できる場でもあった。公園みたいな役割を持っていたのよ。でも街も時代も変わって…。NINJINは私の理想のリサイクルショップであることに間違いはないけれど、もう役割は果たしたのかなと思うようになりました」

これまでの街造りへの理念を、今後はKEYAKissの活動で受け継いでいく、ということでしょうか。

「はい。若い人にうっとおしいって思われてもいいの。もっと声をかけあえる街にしたいし、自分が行動で示していきたいわ」

佐藤さんにとって理想の店とはどういうものでしょうか

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「価格では大型スーパー、量販店に勝てない。でも、店員の思いやりや気遣い、人の情を付加価値にする店が、今の時代に求められている。それができるのは、個人店の集まった商店街。商店会に活気が出てくれば、店、街全体にいい影響を及ぼします。おしゃれな部分と人の情が両立していければいいと思っています」

ありがとうございました。
今後の活動を楽しみにしています。

地域のコミュニティーを増やす活動の一環として、今後もガレージセールやイベントを企画するとのこと。最後に、「けやき並木の宣伝部長でいたい」と佐藤さんは意気込んだ。

取材日:2011年3月10日

<前編>はこちら

■ KEYAKiss ASAGAYA
http://keyakiss.jugem.jp/

文・取材 / 大和千秋

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